Category Archives: 内閣

新しい政権を待ちながら

9月9日の総選挙は終わった。確認を重ねて最終的な結果も出た。開票した夜は普通は次の政権が見えてくるけれど、今回はまったく見えない、複雑な結果になりました。だれが首相になって、どんな内閣ができるかまだまったく見えないところです。 スウェーデンは以前から左ブロック(赤・社会民主党が中心)と右ブロック(ブルー・保守)が競争する政界でした。その2ブロックの間で政権交代するのは普通でした。しかし今はどちらのブロックにも所属しないスウェーデン民主党(SD)が大きくなって、以前のようなブロック政治が崩れそうになっています。 現政権は社会民主党と環境党の内閣で、左党が閣外協力をしています。この3党で今回、国会の144の議席を確保しました。右ブロックはアリアンセン(Alliansen)と名乗って、保守党、中央党、自由党、クリスト教民主党の4党で構成されています。これらは国会で143の議席を確保しました。スウェーデン民主党は難民の受け入れに反対していて、いろいろな意味でほかの政党から人種差別主義の政党として見られています。ほかの政党はスウェーデン民主党と協力したくない。そしてそんな状況の中でスウェーデン民主党はキャスティング・ボートを握っている。そこで有力な政権をなかなか組めない状況になっています。 社会民主党のステファン・ロヴェーン(Stefan Löfven)さんはとりあえず首相として残っています。首相の主張は「社会民主党は一番大きな政党で、社会民主党が一番多くの議席をとったブロックをリードしている。だから辞職はしない」。でもより弱い立場になったので、中央党や自由党を呼び寄せようとしています。アリアンセンは、「左ブロックと言っても現政権は社会民主党と環境党だけで構成されていて、それは議席で見るとアリアンセンよりもすくない。だから、首相は直ちにやめるべきだ。逆にアリアンセンの最大党である保守党の党首が首相になって組閣すべきだ」と主張しています。 どんな政権を作れるか、政党間の交渉によることになりました。その間は国民が待っています。スウェーデンテレビが、「自分で政権を作ってみよう」というパズルも提供してくれています。色違いの各政党のブロックを押して引くかたちで好きな組み合わせができる。各ブロックの得票率はわすか0,3%の違いだと分かります。 しかし国会のスケジュールは決まっているので、その1つ1つのステップに合わせて各政党が方針を決めて行くことになります。国会は招集され、9月24日、国会の議長を選びます。9月25日はが国会の開会式が行われます。その後、現首相についての賛成、反対の投票が行われます。 以下、選挙ツアーの参加者のために作った、各政党の名前とシンボルと党首の顔が分かる資料を掲載します。(最後のフェミニスト党は国会に議席がないですが、私が住むウプサラ市の市議会に2議席をもっています。)

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特別選挙が中止に

2015年3月22日に予定していた特別選挙は中止になりました。与野党6政党が12月27日の午前、共同記者会見を行い、少数派政権の場合の国会運営について合意したと発表。社民党+環境党の内閣はそのまま残るようです。2015年4月に提出される予定の政府予算案以降、野党の4党連立は与党の予算を通す予定。2018年の選挙の後でもこの合意が有効なので、与党、野党はどのブロックであれ、少数派政権の予算を通すとのこと。この合意は2022年まで有効だそうです。  スウェーデンは、歴史的に見ると少数派政権は珍しくないことです。今回の合意の狙いはスウェーデン民主党の影響力をなるべく小さくすることでしょう。

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2015年3月22日、スウェーデンはまた選挙!

先月の日本滞在中に突然、衆議院解散、総選挙が決まり、驚きました。昨日は、スウェーデンも予定外の選挙が決まりもっとびっくりしました。日本では頻繁に解散とそれに伴う総選挙が不定期に行われますが、スウェーデンは1958年以来のことですから皆がびっくりしているところです。 昨日、12月3日、スウェーデンの国会は内閣の予算案ではなく、野党案を採択してしまいました。その背景は前の記事で説明しました。 その後、ステーファン・ロヴェーン首相は二つのオプションしかの残っていませんでした。一つは内閣総辞職です。その場合、国会の議長を中心に新しい組閣プロセスが始まります。もう一つは、選挙をやり直すことです。首相は選挙という道を選び、来年3月22日という日程も決めました。 スウェーデン語ではEXTRA選挙と言います。日本語の表現は何がよいでしょうか。特別選挙?再選挙?新選挙?追加選挙?とにかく、今年9月の選挙の結果では安定した政権が成り立たなかったということで一度やり直すことになりました。私は「やり直し選挙」だと感じています。 特別選挙を行うのは56年ぶりです。どんな選挙でしょうか。憲法のルールでは、決定をするのは政府です。しかし総選挙の後に国会が初めて招集された日から3ヶ月たってから初めて決定できます。それは今回、9月29日でしたので、政府が正式に選挙の実施を決定できるのは今年の終わりのころです。そして選挙を決めた時点から3ヶ月以内に実施しなければなりません。 選挙は正式には決まっていませんが、各政党のキャンペーンはすでに始まろうとしています。 日本と違って、スウェーデンの政党は4年に1回の定期的な選挙以外に突然キャンペーンをすることに慣れていないので準備はたいへんでしょう。 国の選挙管理機関はいつでも特別選挙ができるよう、つねにその準備をしておかないといけません。各国にあるスウェーデン大使館にも必要なものを送ってあるそうです。 今年9月の選挙と違う点の一つは、今回は国政選挙だけです。9月は国政に加えてすべての自治体、県議会の選挙も平行して同じ投票日でした。 新しい選挙までは、今の内閣は残り、野党の予算をもってスウェーデンを運営することになります。政策的に目立ったことができなく、新しい選挙結果が出るまでに、内閣の基本業務をやっていくだけです。政治家にとっては全然面白くないことでしょう。 このブログのタイトルも2015年の選挙を含むようなタイトルにする必要が出て来ました。特別選挙に合わせて、もう一度「選挙スタディツアー」を企画する予想外の可能性も見えて来ました。興味があれば是非ご一報ください。

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スウェーデンの国会が麻痺状態中

2ヶ月前の10月3日にできた新政権はいつまでもつのでしょうか。本来は4年間の任期ですが、今は危機的な状況になっています。 内閣は国会に提出する予算案を採択してもらうことで国を運営します。しかし今日行われている予算審議の後の投票では、政府案が通らない見とうしになってしまいました。スウェーデンでは異例のことです。 スウェーデンの国会は左ブロック、右ブロックの対立がある中でブロックが交代して与党と野党に入れ替わったりするのが普通です。 左ブロック:社民党・環境党(現内閣)+左党(政策協力で予算案を支持) 右ブロック:穏健党・自由党・中央党・クリスト民主党(現野党、前連立政権) 参考に:政党リストと国政選挙の結果 2006年の選挙は左ブロックが負け、右ブロックの政権に代わりました。今年9月の選挙では、左ブロックが政権に復帰しました。 今回違うのは、13%程の支持を得ながら、どちらのブロックにも所属しないスウェーデン民主党の存在です。移民の受け入れを減らすべきだとい政策を柱にしている政党です。移民政策の点では、国会のすべてのほかの政党と対立しています。そのため、スウェーデン民主党がほかの政党に対して「協力しましょう」と言っても、どの政党も相手にしません。 今回、三つの予算案が提出されます。内閣案、野党右ブロック案、スウェーデン民主党案。スウェーデン民主党案が通る可能性はゼロなのでスウェーデン民主党は次に内閣案あるいは野党案を支持することを選択できます。そこで、スウェーデン民主党は、野党案を支持すると発表しました。野党の予算案が通る見とうしになり、国会は大混乱に陥りました。 ロヴェーン首相は他党の予算でスウェーデンを運営するつもりはないという当然の方針を決めています。 今日は、国会での予算案審議がテレビで生中継されていますが、各政党の党首は見当たりません。どこかで頭を抱えて考えたり、他党と交渉したりしているでしょう。国会の議論で時間を稼いでいるように見えます。 スウェーデン民主党は自分たちの移民政策を実現させるために、国会で獲得した立場を最大限に活用していると言えます。他政党に強いプレッシャーを与えています。 実は移民政策については左・右ブロックの違いはあまりないそうです。スウェーデン民主党は右ブロックの予算案をその点で評価して支持しているわけではありません。これからは、キャスティングボートを握っているという立場を使って、自分たちの移民政策の方針に沿わないどの予算案についても、国会での採択を妨害するつもりだと言っています。これは他党から見れば国会運営をつねに荒らすことになるから非常に深刻な問題です。 ロヴェーン首相はこの状況のなかで何とか予算を通すために右ブロック4党に呼びかけ、ブロック間の協力を提案していますがまったく相手にされないままです。 この次は何が起こるのでしょうか。首相は辞職するのでしょうか?今の国会の中から新しい政権が生まれる可能性があるのでしょうか?あるいは春に異例の再選挙になるのでしょうか? 選挙の結果を受けて安定した政権をどうやって作れるか、それは今の国会の最大課題です。どのような解決方法が見つかるのでしょうか。日本と違って、定期的な選挙以外の選挙は非常に珍しいです。一度選ばれた議員達の仕事は、互いに交渉して解決先を見つけることでしょう。私はそう思います。

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温暖化対策担当大臣はどんな人?

先日、副首相、環境・温暖化対策大臣のオーサ・ロムソンさん(Åsa Romson、環境党)の話を生で聞く機会がありました。2015年12月、パリで開かれる国連の温暖化会議で、京都議定書に代わる新しい気候変動枠組みができると期待される中、今年12月でペルーのリマ市で開かれる温暖化会議が注目されています。パリ会議に向けての準備会議の位置づけになっているからです。リマでうまく行けばパリがうまくいく可能性が高くなるということです。 ロムソンさんはペルーに出発する前に政府の姿勢を話していましたが、政権交代して、スウェーデンが特にEUの中で積極的に取り組むと言っていたので少し安心しました。 話を聞く機会は、環境党のシンクタンクFORES(フォーレス)がアレンジした朝のセミナーでした。セミナーは満員でしたがとてもインフォーマルで、大臣に警備員がついていたのでしょうか。私には見えませんでした。 ロムソンさんの雰囲気はまったく政治家らしさに欠けていて、とても「普通の人」って感じです。長い経験をもつ政治家の冷静な話し方ではなく、つい興奮して早くしゃべってしまいます。この不慣れな話し方は弱点かもしれません。同時に、本物だと疑う余地もない、彼女の環境保護に対する熱意は利点かもしれません。どれが一番大事でしょうか。 政治家の経験がまだ短い、急スピードで政界のトップに進んだロムソンさんはどんな人でしょうか。履歴書を見ると8年間、ストックホルム市議会議員として活躍した後に2010年にはじめて国会議員に。2011年は環境党の2人の共同代表の一人に選ばれ、ことしの総選挙でその立場でよくテレビに出れようになって、顔が知られるようになりました。選挙の結果、社会民主党と環境党が少数派政権の内閣を組むことになって、ロムソンさんはつい副首相、環境・温暖化対策大臣のポストに。 ストックホルム大学の大学院では環境法を専攻していたので、学歴で言えばピッタリでしょう。日本は、学歴や専門分野にあまり関係ないかたちで大臣が決まることが多いようですが今の望月環境大臣はどうでしょう。法学部を卒業したようですが何を専攻していたのでしょうか。

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ESDユネスコ世界会議にスウェーデン政府代表団が来日

明日(11月9日)から名古屋で開かれるESDユネスコ世界会議の様子を見に今、名古屋に来ています。ESDは持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development)のことですが、日本政府の提案で国連が10年間、ESDに取り組むことを決めました。今回の会議はその「ESD10年」の最終会議となります。しかし、そこで終わりにするのではなく、世界各国でその取り組みを続けるための「グローバル・アクション・プログラム(GAP)」の採択が予定されています。 スウェーデンは、日本政府が「ESD10年」を提案したころは、社会民主党の政権でした。当時の首相がESDを重視していましたが、その後、政権交代になりました。今年9月まで続いた8年間の政権はESDに全然力を入れませんでした。 今年の政権交代で、社会民主党が政権復帰し環境党と組んでの連立政権ができたので、政府レベルのESDヘの姿勢が久しぶりに前向きになりました。名古屋に行く政府代表団が急きょ決まり、Aida Hadzialic高校学校教育・成人教育大臣(写真)を団長に11名が来日することになりました。Hadzialic大臣は27歳で現内閣で一番若い閣僚です。                                                       Photo: Martina Huber/Government Offices of Sweden 代表団が決まるのは会議の2週間ぐらい前だったのですが、ESDに取り組むスウェーデンの関係者が、スウェーデンのユネスコ委員会と一緒に名古屋に向けての準備会合を何回も開いてきました。その結果、スウェーデンがこれからどのようにESDに取り組むべきか、32の提案を盛り込んだ提案書ができています。10月29日、Hadzialic大臣がその提案書を受け取り、名古屋にもっていくことになりました。 … Continue reading

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環境党が初めて入閣

スウェーデンの国会は、新しい首相を選出するプロセスを予定通りに進めて総選挙で第1党になった社会民主党の党首ステファン・ロヴェーン(Stefan Löfven)さんが首相になりました。ラペルに付けているバッジは社民党の赤いバラです。 Photo: Magnus Länje 社民党は環境党と組んで38%だけの得票率で内閣を組むことになったので弱い少数派内閣ですが、環境の視点から政治をフォローしてきた私にとっての面白いニュースは環境党の初めての入閣です。 10月3日、ロヴェーン首相が新しい内閣を紹介すると、副首相を含む6人の閣僚が環境党出身でした。これはその新米閣僚たちです。 スウェーデンでは、新しい内閣ができるとこのように国会の前で写真を取ることになっています。閣僚の半分が女性ですがそれははじめてのことではありません。 Photo:Martina Huber/Regeringskansliet ことし9月に発足した安倍改造内閣は女性が通常より多く入閣しました。 公式の写真を見ると、女性閣僚は首相を飾るかのように首相の周りに立っているように見えませんか。 スウェーデンの内閣府のホームページを見ると面白いことに気付きました。大臣を紹介するページでの順番はランクではなく、下の名前のアルファベット順に並んでいます。その結果、副首相のオーサ・ロムソン(Åsa Romson)さんは最後になっています。Åはスウェーデン語の特殊な文字でアルファベットのほぼ最後に来ます。 首相だけはアルファベット順と関係なく最初に来ます。スウェーデンは人々の平等を強調してあまりランクを気にしない国ですからスウェーデンらしいと思いました。

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