コロナ危機とスウェーデンの憲法

スウェーデンのコロナ対策が国際メディアで注目されています。各国が次々とロックダウンを決める中、スウェーデンは外出の禁止をしていません。なぜでしょう。

実は、国内を自由に移動することは憲法で保護されている市民の権利です。政府は市民を家に閉じ込める政策を簡単に取ることできません。スウェーデンの憲法は日本と違って、4つの文書で構成されています。その1つは「Regeringsformen」と言います。英語ではInstrument of Government と言いますが、国の統治に関する文書です。この文書はほかの国の憲法に一番似ているそうです。ほかの三つの文書は王位継承、出版の自由、表現の自由に関するものです。

統治に関する「Regeringsformen」第2章には基本的な自由と権利について書かれています。その第8条には移動の自由について書かれています。「スウェーデン国籍をもった市民は、国内を自由に移動する権利、また、国を出る権利が保証されます。」

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しかし、自由に移動する権利は法律によって制限できるとも書いてあります。

その場合、明確な目的をもって、自由な世論形成の障害にならない、民主主義社会の枠内にとどまるという限られたかたちの制限しかできません(第2章第20条、第21条)。

強制的なロックダウンの代り、スウェーデンの政府や公的機関は個々の自己責任に訴えています。スウェーデンは徹底的な個人主義の社会です。日常的にも自己責任がよく強調されます。今は交流を押さえるよう、人と人の間に距離をおくよう、70才以上の人は家庭以外の人と一切接触しないよう、などの指示をしています。スウェーデンらしいやり方だと思います。

IMG_6021政府はこの中で外に行かないようと言っていません。逆に運動するのが健康によい、自然に触れるのもよいから、是非、人と人の距離を維持しながら出かけてくださいと言っています。スウェーデンは都会でも、公園や自然が割と近いです。

市民を閉じ込めれば、皆の運動が少なくなります。国民の健康に悪影響が出ます。精神面にも悪い影響があります。孤独や家庭内暴力が増える恐れもあります。スウェーデンは比較的に低い人口密度とたくさんの自然に恵まれています。そのためにほかの国と違った対策が取れるし、スウェーデンの特徴の1つだと思います。

自分は、仕事もミーティングも全部延期になっているから旅行したり、出かけたりする理由も今ほとんどないです。ウプサラ(Uppsala)の自宅は自然や公園に近い、そして今は春が来ています。コロナ危機の今も毎日自由に散歩できるのがとてもありがたいです。

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「民主主義大使」は効果的だったのか

私が住むウプサラ市は、今年9月の総選挙の数週間前から投票率をあげる狙いで「民主主義大使」を採用しました。私も約25人の1人として投票率を上げる活動をしてみる機会を得て、面白い経験でした。結果を見てその民主主義大使の活動によって、投票率は本当に上がったでしょうか。

背景にある問題は、選挙区の間に投票率の大きな違いがあることです。民主主義大使プロジェクトの狙いの1つは、投票率の低い選挙区の投票率をあげることでそのギャップを縮めることでした。具体的な目標としてそのギャップを3%減らすことでした。投票率に影響を与える要因がたくさんあるので、因果関係を把握することが難しいです。それでも前回(2014年)の選挙と今回(2018年)の選挙の投票率データで投票率の変化を確認してみました。

同じ日に国会、県、市の選挙があったが、ここはウプサラ市の結果を見ます。市全体の投票率は85.18%から86.40%に、1.22%上がりました。そして2014年、一番投票率の低い選挙区を確認しました。Sydvästra Valsätra選挙区は今回も一番投票率の低いところでした。

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Sydvästra Valsätra選挙区      57.67%  51.37%  - 6.3%

SödraValsätra2018

投票率が一番低いウプサラ市の選挙区では、社会民主党と左党の支持者が多い。

Sydvästra Valsätra選挙区を地図で見ると、Gottsunda(ゴットスンダ)という区域にあることが分かります。ショッピングセンターがあり、多くの移民が住んでいるところです。民主主義大使がよく活動していた対象地域でもあります。周りにいくつかの選挙区があるので、それらの投票率の変化も見てみます。

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Gottsunda centrum選挙区     69.68%  71.91%       + 2.03%

Valsätra Spinnrocksvägen選挙区  66.12%      67.23%         + 1.10%

Nordöstra Valsätra選挙区     90.85%        92.90%        + 2.05%

Södra Gottsunda選挙区      75.73%       70.81%          – 4.91%

Mellersta Gottsunda選挙区    67.62%        68.15%          + 0.53%

Gottsunda-Blomdahls väg選挙区        64.85%      65.98%         +1.13%

Norra Gottsunda選挙区      66.36%       65.48%          -0.88%

選挙区が変わったために比較できないのもあります。

このように見ると場所によっては投票率が上がったり下がったりしています。

投票率の高いところと低いところの間のギャップはどうなったか

今回一番投票率が低かったSydvästra Valsätra選挙区の投票率は、51.37%で、投票率が一番高かったÄrna選挙区の94.13%と比較するとそのギャップは42.76%でとても大きいです!

2014年の選挙で一番投票率が低かったSydvästra Valsätra選挙区の57.67%と一番高かったSödra Nåntuna選挙区の93.77%を比較すると36.1%の違いでした。

ということは、全体の投票率が上がったし、一部の低いところでは上がりました。しかし同時に低いところでさらに下がることもあり、結果的に、選挙区間の格差が広がってしまいました。

民主主義大使が活動していなかった場合の結果は分かりません。活動が効果的だったかどうかの結論はなかなか出ません。目標設定がよくなかったのか、評価の方法はどうすればよいか、疑問がたくさん残りました。しかし活動した1人としては有意義だったと感じています。市の担当者もほかの民主主義大使の仲間もそのように感じたようです。

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新しい政権を待ちながら

9月9日の総選挙は終わった。確認を重ねて最終的な結果も出た。開票した夜は普通は次の政権が見えてくるけれど、今回はまったく見えない、複雑な結果になりました。だれが首相になって、どんな内閣ができるかまだまったく見えないところです。

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図の出典:Dagens Nyheter

スウェーデンは以前から左ブロック(赤・社会民主党が中心)と右ブロック(ブルー・保守)が競争する政界でした。その2ブロックの間で政権交代するのは普通でした。しかし今はどちらのブロックにも所属しないスウェーデン民主党(SD)が大きくなって、以前のようなブロック政治が崩れそうになっています。

現政権は社会民主党と環境党の内閣で、左党が閣外協力をしています。この3党で今回、国会の144の議席を確保しました。右ブロックはアリアンセン(Alliansen)と名乗って、保守党、中央党、自由党、クリスト教民主党の4党で構成されています。これらは国会で143の議席を確保しました。スウェーデン民主党は難民の受け入れに反対していて、いろいろな意味でほかの政党から人種差別主義の政党として見られています。ほかの政党はスウェーデン民主党と協力したくない。そしてそんな状況の中でスウェーデン民主党はキャスティング・ボートを握っている。そこで有力な政権をなかなか組めない状況になっています。

社会民主党のステファン・ロヴェーン(Stefan Löfven)さんはとりあえず首相として残っています。首相の主張は「社会民主党は一番大きな政党で、社会民主党が一番多くの議席をとったブロックをリードしている。だから辞職はしない」。でもより弱い立場になったので、中央党や自由党を呼び寄せようとしています。アリアンセンは、「左ブロックと言っても現政権は社会民主党と環境党だけで構成されていて、それは議席で見るとアリアンセンよりもすくない。だから、首相は直ちにやめるべきだ。逆にアリアンセンの最大党である保守党の党首が首相になって組閣すべきだ」と主張しています。

どんな政権を作れるか、政党間の交渉によることになりました。その間は国民が待っています。スウェーデンテレビが、「自分で政権を作ってみよう」というパズルも提供してくれています。色違いの各政党のブロックを押して引くかたちで好きな組み合わせができる。各ブロックの得票率はわすか0,3%の違いだと分かります。

しかし国会のスケジュールは決まっているので、その1つ1つのステップに合わせて各政党が方針を決めて行くことになります。国会は招集され、9月24日、国会の議長を選びます。9月25日はが国会の開会式が行われます。その後、現首相についての賛成、反対の投票が行われます。

以下、選挙ツアーの参加者のために作った、各政党の名前とシンボルと党首の顔が分かる資料を掲載します。(最後のフェミニスト党は国会に議席がないですが、私が住むウプサラ市の市議会に2議席をもっています。)

スウェーデンの政党2018選挙

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「民主主義大使」とは?

Uppsalademokratiambassadörer2018

ウプサラ市の「民主主義大使」

スウェーデンの投票率は高いですが、それでも不十分だと思う人がたくさんいます。特に、地域と地域の間に投票率の大きな差があります。自分が住んでいるウプサラ市はそのギャップを少しでも縮めようと、今回の選挙で「民主主義大使」を導入しています。民主主義大使の役割は、投票率の低いグループを主な対象に、投票権や投票の仕方について教えたり、投票を前向きに進めることです。

4年前の総選挙の投票率はどうだったか、確認しました。まず、各地域で同時に行われる選挙が三つあります。国会、県と市です。2014年の国会選挙の全国平均の投票率は85.81%でした。ウプサラ市の国会選挙においての投票率は88.16%で、全国よりも高かったです。しかしウプサラ市の中の選挙区をより細かく見ると一番高い選挙区は94.90%、一番低い選挙区は63.88%で、30%以上の差があります。

ウプサラ市議会選挙の投票率を見ると、市全体は85,18%でした。この場合、投票できるのはスウェーデン国籍の人だけではないく、スウェーデンに3年間住んでいる外国人も投票できます。そのため、市で投票権があったのは,国会選挙にくらべて6676人多かったです。市の選挙では投票率の一番高い地域は93.77で、一番低い地域は57.67%だったので、36%ほどの違いがあったのです。

demokratiambassadörpågågatan今回のウプサラ市の投票プロジェクトはこの差を3%縮めようとの目標をたてています。6週間の期間で約20人の民主主義大使がパートタイムの仕事として、町の広場、市立図書館、イベントの会場などで投票について情報提供をします。

自分も民主主義大使の1人とした採用され、いろいろな人に声をかけてみました。国籍がなくても、3年間住んでいれば市と県の選挙で投票権があることを知らない人に出会ったりしました。スウェーデン語の理解がまだ不十分な市民のために、国の選挙管理機関が30カ国の言葉での投票案内を作っています。

 

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「投票率80%超! 2018スウェーデン総選挙疑似体験スタディツアー」

飛行機の込み具合でツアーを1日短縮し、9月6日の出発に変更しました。もちろん早めに到着して観光を楽しむこともできます。何か不安があれば気楽に相談してください。

「投票率80%超! 2018スウェーデン総選挙疑似体験スタディツアー」

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2018年9月9日の総選挙に合わせてツアーを開催します!

国会、県議会、市議会、全国同日の投票日です。

2018年9月、スウェーデンは4年振りの総選挙!日本と違って、国会、県議会、市議会のすべてが全国で同じ日に行われます。スウェーデンの投票率は80%以上。日本人がよくびっくるするこですが、スウェーデンの人はそれでまだ不満です。私が住むウプサラ市は市民の中から「民主主義大使」を募って、投票率をもっとあげようと努力しています。

4年に1回しかない、スウェーデンの民主主義を知るこの絶好の機会にスウェーデンに来てみませんか。選挙キャンペーン、ディベート、 教育、メディアのあり方などを日本と比較しながら市民の視点で紹介していきます。現地での視察プログラムの全行程にガイド・通訳として同行します。 スウェーデンと私の住む町ウプサラへようこそ!

ツアーの詳細はこちらへ:

投票率80%超! スウェーデン総選挙体感 スタディツアー2018

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「スウェーデン政界のテスラ」

スウェーデン政界のテスラになりたいと考え、新党を結成した人達がいます。既存の政党の仕組みでは政治のあり方を変えられない、政界外部からの新しい動きが必要だという考えです。

先日ストックホルムで新党の会合があったので参加してみました。名前はInitiativet(イニシアティブ)。デーマークの新党Alternativetという政党からのインスピレーションではじまったそうです。スクリーンショット 2018-02-25 23.42.45

新党と言ってもまだマニフェストのない政党です。皆で民主主義を活性化して一緒に新しい政策を作りましょうという誘いで参加への呼びかけをしています。

会場となっていたのはストックホルムの中心にある、洒落たコーワーキングスペースでした。集まった人は約30人、少し聞いてみる、私と同じく、好奇心をもって、初めての参加の人が多いようでした。男性の党首と同じく設立者の女性のイントロダクションとそれに対する質疑応答の後にさっそくテーマごとのワークショップ。いくつかのテーマを与えられ、私はDemocracy 2.0のグループを選んで、ほか3人の参加者と新党の政策作りプロセスの可能性と課題のディカッションに入った。ほかのグループは労働、教育、移民の社会参加、などのテーマでした。それぞれで取り組むべき課題を打ち出して、後で皆で報告し合って、そしてまた新党結成についての何でも質疑応答。最後は、ネット上の共同作業で政策案を作っているから是非それにも参加してと、フェイスブックページの紹介などで終わりました。帰る前に数名に少し聞くチャンスがありました:「どうだった?おもしろかった?これからも参加したい?」「面白かった、参加してもいい感じ」というのが返事。私も同じ気持ちでした。なにかよく分からないけれど、民主主義や政策議論の活性化にはよい取り組みかもあしれないと感じました。

自分が行く前に魅力だと思ったのは、民主主義の活性化をしたい姿勢や、「19世紀にできたイデオロギーにとらわれない政策づくりをしたい」主張や温暖化問題をこれからの社会作りの前提にしている様子でした。

政策方針として何もないと進まないから、政策議論の枠組みとして6つの価値観(キーワード)を基本にしています:オーペン、前向き、共感、共に作る、勇気、行動力。どれもよさそうで多くの人が賛同できる要素でしょう。

では、「政党を作った」は何を意味するのでしょうか。日本なら見ればまずはお金が必要だと思うでしょう。しかし、スウェーデンは国会選挙に政党として立候補するのに、1500人の賛同者の署名を集めるだけで十分です。現在はまだその署名集めに取り組んでいる段階です。

会合に集まったのはいろいろな年齢の男女で、学齢は割と高いと感じました。ワークショップ方式のミーティングによくなれた人で、技術に前向きで、持続可能性を追求するのは当たり前だと考えている人のような印象でした。

激しい議論で対立するよりは、スウェーデン社会の共通のヴィジョンを描いて、共通の課題に取り組んで、一緒に解決方法を探って、前向きに進む。そんな姿勢をもつ政党でありたいということでした。

「元気な地球に住む元気な人たち」

選挙はことし9月です。まず掲げているヴィションは「元気な地球に住む元気な人たち」で魅力的ですがマニフェストは政策作りワークショップの「政策ラボ」で4月をめどにつくると言っています。具体的な目標は5市議会で席を確保することと国会に入ること。短い時間で何ができるのでしょうか。

帰ってきたら、教えてもらったホームページにアクセスしてみました。フェイスブック、そして政策のディスカッションに使われいてるソフトSlackにアカウントを作ってアクセス。自分のコンピューターは日本語を使っているから、ソフトの説明がいきなり日本語で出てきます。スウェーデン語で議論するのにとびっくりしてまずは使用言語を英語に切り替えました。日本語、フランス語、ドイツ語、などいくつかの言語はあってもスウェーデン語がないので、もしも英語に抵抗ある参加者がいればここで参加がストップするかもしれないと思いました。Slackは企業の内部コミュニケションのツールとして使われている人気のソフトのようです。

中身を見ると、予算案、スケジュールなどなど、政党の内部が全部丸見えになっている様子。顔を合わせるようの会合はこれからもいろいろ開く予定だそうですが、この政党に参加するのにはコンピューター画面を相手にする時間が増えそうだと感じました。

この動きは本当に政党と言えるのでしょうか。政党よりも市民が共に作るシンクタンクではないかと感じました。面白い動きですが、自分が関わりたいかどうか、しばらく様子を見ることにしました。

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2018年9月9日にスウェーデン総選挙

2018年は総選挙の年です。

スウェーデンは、日本と違って、選挙は定期的に行われます。衆議院解散などの突然の動きは普通ありません。さらに時期がバラバラの地方選挙ではなく、市議会、県議会、国会、すべてが同じ日です。今年は 9月9日(日曜日)が投票日となります。9月の2つ目の日曜日に決まっています。

スウェーデンの9月のはじめというと、夏の休暇から皆がもどってきていて、仕事や勉強に集中している時期です。選挙のキャンページは、暖かい季節にできるようになっています。

http://www.riksdagen.se/sv/sa-funkar-riksdagen/

国会に議席をもつ8党のシンボル。自由党(リベラル党)のシンボル「L」とクリスト教民主党のシンボル「KD」が前回の選挙以来変わっています。イラストは国会のホームページから: http://www.riksdagen.se/sv/sa-funkar-riksdagen/

2014年の選挙の結果をこのブログで報告しました。社会民主党と環境党の連立政権ができて環境党がはじめて入閣しました。しかし弱い少数派政権でした。それでもいろいろ揺れながらなんとかここまで来ました。選挙後のころは環境よりも移民政策の議論が中心でした。その背景の1つは難民や移民の受け入れに消極的なスウェーデン民主党が国会で第3党になったことです。もう1つは2015年の間に16万人ほどの難民がスウェーデンにやってきたことです。その受け入れがなかなか大変だったので、受け入れについての意見がいろいろ全面に出てきました。

時期については1つだけ例外があります。住民投票です。9月の総選挙と同時に行うのもありますが、別の時期もあります。ことしは、国際的にも注目されそうな住民投票が予定されいています。人口が22000人程度の小さな自治体Östhammar(エストハンマー)で行われます。ウプサラからバスで1時間ぐらいのところでバルト海の海岸に位置しています。エストハンマーは、原発の使用済燃料の最終処分場を作る予定になっています。許可申請プロセスが今最後段階に入っています。そこで市議会が受け入れを決定する前に、最終処分場の建設を受け入れるかどうかに関する住民投票を3月4日に行う予定です。

今年はどんな議論や選挙になるのでしょうか。

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女性と子どもが働く歴史

男女平等のテーマでスウェーデンで視察訪問をすると、現状や最近の取り組み、最近の出来事や議論の話をよく聞きますが、100年前とか、もっと前のことはあまり聞きません。

スウェーデンに住んでいるといつでも無料で大学で勉強できます。日本からスウェーデンに戻って勉強を少し楽しむことにしています。この春はスウェーデンの歴史のコースをとっています。特に市民の視点から見た歴史です。一般の人はどうやって生計をたてていたか、どんな仕事、どんな働き方をしたのか。家族や人々の付き合い、住宅、家族の経済状況などです。

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牛の乳をしぼる。100年前、スウェーデンのどこでもやっていたことです。出典リンク

100年以上前は、ほとんどの人が農業の仕事をしていました。しかし、18年代に産業化が進み、1910年のころは農業で働く人は働く人口の半分に下がっていました。当時のスウェーデンは女性だけではなく、子どももよく働いていました。

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ガラス工場で働く子どもたち。「コスタ・ボダ/Kosta Boda」のブランドとして有名になった会社です。(1905年)出典リンク

新しくできた工場での仕事は危険で厳しかったです。そのため女性と子どもをある程度守るための法律が出来ました。1833年以来、9歳以下のこどもの労働は法律で禁止されていたが、1881年に、学校を卒業していない、12歳以下の子どもを雇用することが禁止された。現在、13歳以下の子どもは基本的に働いてはいけないことになっています。そして18歳で成人になるまで、仕事の制限がいろいろあります。

女性は、19年代のはじめ、一部の業界や夜中の仕事が禁止されました。当時、男性は稼ぐ、女性は主婦という考え方が主流でした。女性の収入は男性に比べ低かったです。このころ、女性は運動をはじめ対等な仕事に対等な賃金を求めました。

スウェーデンが参加しなかった第2次世界戦争が終わったところの1950年代、農業で生計たてている人は20%だけに下がっていました。1970年は5%に。

戦後の産業界は成長して労働力が足りませんでした。それで女性が魅力的な労働力になって女性が次々と働くようになりました。このころ、スウェーデンの各種福祉政策も導入されました。例えば無料の給食、児童手当、3週間の有給休暇、皆のための健康保険などです。

1939年、妊娠や結婚を理由に女性を首にすることが禁止になりました。

1950年は主婦が多かった時代として知られています。当時、女性の30%が家庭のそとで働いていました。2000年は75%でした。多くの女性が社会福祉の分野で働いています。

今のスウェーデンでは、女性が働くのが当たり前で、逆に仕事をもっていなければ、まずは「失業者」として分類されるでしょう。日本からスウェーデンに戻ってきて感じています:仕事をもっていない人は「何もの?」と少し怪しい存在です。徹底的な個人主義と自立主義のスウェーデンでは、仕事をしていなければどうやって食べているの?と思われます。だれかに、どこかに、依存することが少し怪しげなこととして見られます。

スウェーデンは男女平等(女男平等でもいいのでは?)の国として知られていますが、まだまだ賃金の違いなど、平等ではない点がいろいろ議論されていて、政治の争点にもなります。

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国家記念日に新市民の歓迎セレモニー

6月6日はスウェーデンの国家記念日でした。この日はもともと「国旗」の日でしたが休日ではなかったです。1983年に国家記念日にもなったのですが、休日ではなかったので一般市民の意識は低く、お祝いやイベントの習慣もあまりなかったです。2005年以来は休日です。

休日になってから、「さあ、どんなお祝いをしようか」となったようです。ナショナリズムが以前より広がろうとしている社会的トレンドがある中で、国家記念日や国旗に対する姿勢がいろいろです。

写真: Stewen Quigley

前向きな取り組みのひとつとして各自治体で「スウェーデン国籍をとって新しい市民になった人々を歓迎する」という内容のイベントがあります。今年1月から歓迎セレモニーを開催するのが各自治体の義務になりました。義務になる前でも約半分の自治体が自主的に行っていました。新しい市民の参加はもちろん任意です。実はスウェーデン市民の約15%が外国生まれです。

私が住むウプサラ市では、2014年中に国籍がとれて新しい市民になったのは826人です。90カ国から来て、51種類の母国語を話す人々です。そのうち200人位はセレモニーに参加しました。今年は少し特別で、ヴィクトリア王女が参加しました。ちなみに彼女の母親シルヴィア王妃は外国生まれです。

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ウプサラ市は一般市民のためのイベントも開催したので少し見に行きました。公園の野外舞台で、まずは市の文化委員会委員長がスピーチをしました。その途中に一度、皆の拍手が自然に起こりました。それは委員長がスウェーデンの人気オペラ歌手マレーナ・エルンマン(Malena Ernman)の言葉を引用した時です。「スウェーデンは人々が逃げて来る国であって、逃げて出て行く国ではないことをありがたく思いましょう」。

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ウプサラ市議会議長Carl Lindbergさん

次は日本に何回も行った経験のある市議会議長のカール・リンドベリ(Carl Lindberg)さんのスピーチでした。カールさんが絶えず推進してきたESD(Education for Sustainable Development 、持続可能な発展のための教育)にも触れて、ウプサラは2大学があって、幼稚園から高校まで多文化の背景をもった子どもや若者がたくさんいるので、ESDを推進するポテンシャルが大きいと指摘しました。

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この日は同時進行で「ウプサラの港の日」というイベントも行われていました。ウプサラに引っ越しをする前にウプサラに港があるというイメージがまったくなかったですが、実は川沿いにいろいろな船が停泊しているし、船が通れるように時々開く橋もあるし、川を下って、メーラレン湖まで行く遊覧船もあります。

実は、常時停泊している船「ハウスボート」に住んでいる人もいます。この日はその一件を訪問する機会がありました。

そこに住む女性はアフリカ滞在暦が長く、今も東アフリカのマラウイ(Malawi)で有機野菜栽培プロジェクトに取り組んでいると話してくれました。

こぢんまりとしたウプサラらしいイベントでした。

 

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