「民主主義大使」とは?

Uppsalademokratiambassadörer2018

ウプサラ市の「民主主義大使」

スウェーデンの投票率は高いですが、それでも不十分だと思う人がたくさんいます。特に、地域と地域の間に投票率の大きな差があります。自分が住んでいるウプサラ市はそのギャップを少しでも縮めようと、今回の選挙で「民主主義大使」を導入しています。民主主義大使の役割は、投票率の低いグループを主な対象に、投票権や投票の仕方について教えたり、投票を前向きに進めることです。

4年前の総選挙の投票率はどうだったか、確認しました。まず、各地域で同時に行われる選挙が三つあります。国会、県と市です。2014年の国会選挙の全国平均の投票率は85.81%でした。ウプサラ市の国会選挙においての投票率は88.16%で、全国よりも高かったです。しかしウプサラ市の中の選挙区をより細かく見ると一番高い選挙区は94.90%、一番低い選挙区は63.88%で、30%以上の差があります。

ウプサラ市議会選挙の投票率を見ると、市全体は85,18%でした。この場合、投票できるのはスウェーデン国籍の人だけではないく、スウェーデンに3年間住んでいる外国人も投票できます。そのため、市で投票権があったのは,国会選挙にくらべて6676人多かったです。市の選挙では投票率の一番高い地域は93.77で、一番低い地域は57.67%だったので、36%ほどの違いがあったのです。

demokratiambassadörpågågatan今回のウプサラ市の投票プロジェクトはこの差を3%縮めようとの目標をたてています。6週間の期間で約20人の民主主義大使がパートタイムの仕事として、町の広場、市立図書館、イベントの会場などで投票について情報提供をします。

自分も民主主義大使の1人とした採用され、いろいろな人に声をかけてみました。国籍がなくても、3年間住んでいれば市と県の選挙で投票権があることを知らない人に出会ったりしました。スウェーデン語の理解がまだ不十分な市民のために、国の選挙管理機関が30カ国の言葉での投票案内を作っています。

 

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「投票率80%超! 2018スウェーデン総選挙疑似体験スタディツアー」

飛行機の込み具合でツアーを1日短縮し、9月6日の出発に変更しました。もちろん早めに到着して観光を楽しむこともできます。何か不安があれば気楽に相談してください。

「投票率80%超! 2018スウェーデン総選挙疑似体験スタディツアー」

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2018年9月9日の総選挙に合わせてツアーを開催します!

国会、県議会、市議会、全国同日の投票日です。

2018年9月、スウェーデンは4年振りの総選挙!日本と違って、国会、県議会、市議会のすべてが全国で同じ日に行われます。スウェーデンの投票率は80%以上。日本人がよくびっくるするこですが、スウェーデンの人はそれでまだ不満です。私が住むウプサラ市は市民の中から「民主主義大使」を募って、投票率をもっとあげようと努力しています。

4年に1回しかない、スウェーデンの民主主義を知るこの絶好の機会にスウェーデンに来てみませんか。選挙キャンペーン、ディベート、 教育、メディアのあり方などを日本と比較しながら市民の視点で紹介していきます。現地での視察プログラムの全行程にガイド・通訳として同行します。 スウェーデンと私の住む町ウプサラへようこそ!

ツアーの詳細はこちらへ:

投票率80%超! スウェーデン総選挙体感 スタディツアー2018

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「スウェーデン政界のテスラ」

スウェーデン政界のテスラになりたいと考え、新党を結成した人達がいます。既存の政党の仕組みでは政治のあり方を変えられない、政界外部からの新しい動きが必要だという考えです。

先日ストックホルムで新党の会合があったので参加してみました。名前はInitiativet(イニシアティブ)。デーマークの新党Alternativetという政党からのインスピレーションではじまったそうです。スクリーンショット 2018-02-25 23.42.45

新党と言ってもまだマニフェストのない政党です。皆で民主主義を活性化して一緒に新しい政策を作りましょうという誘いで参加への呼びかけをしています。

会場となっていたのはストックホルムの中心にある、洒落たコーワーキングスペースでした。集まった人は約30人、少し聞いてみる、私と同じく、好奇心をもって、初めての参加の人が多いようでした。男性の党首と同じく設立者の女性のイントロダクションとそれに対する質疑応答の後にさっそくテーマごとのワークショップ。いくつかのテーマを与えられ、私はDemocracy 2.0のグループを選んで、ほか3人の参加者と新党の政策作りプロセスの可能性と課題のディカッションに入った。ほかのグループは労働、教育、移民の社会参加、などのテーマでした。それぞれで取り組むべき課題を打ち出して、後で皆で報告し合って、そしてまた新党結成についての何でも質疑応答。最後は、ネット上の共同作業で政策案を作っているから是非それにも参加してと、フェイスブックページの紹介などで終わりました。帰る前に数名に少し聞くチャンスがありました:「どうだった?おもしろかった?これからも参加したい?」「面白かった、参加してもいい感じ」というのが返事。私も同じ気持ちでした。なにかよく分からないけれど、民主主義や政策議論の活性化にはよい取り組みかもあしれないと感じました。

自分が行く前に魅力だと思ったのは、民主主義の活性化をしたい姿勢や、「19世紀にできたイデオロギーにとらわれない政策づくりをしたい」主張や温暖化問題をこれからの社会作りの前提にしている様子でした。

政策方針として何もないと進まないから、政策議論の枠組みとして6つの価値観(キーワード)を基本にしています:オーペン、前向き、共感、共に作る、勇気、行動力。どれもよさそうで多くの人が賛同できる要素でしょう。

では、「政党を作った」は何を意味するのでしょうか。日本なら見ればまずはお金が必要だと思うでしょう。しかし、スウェーデンは国会選挙に政党として立候補するのに、1500人の賛同者の署名を集めるだけで十分です。現在はまだその署名集めに取り組んでいる段階です。

会合に集まったのはいろいろな年齢の男女で、学齢は割と高いと感じました。ワークショップ方式のミーティングによくなれた人で、技術に前向きで、持続可能性を追求するのは当たり前だと考えている人のような印象でした。

激しい議論で対立するよりは、スウェーデン社会の共通のヴィジョンを描いて、共通の課題に取り組んで、一緒に解決方法を探って、前向きに進む。そんな姿勢をもつ政党でありたいということでした。

「元気な地球に住む元気な人たち」

選挙はことし9月です。まず掲げているヴィションは「元気な地球に住む元気な人たち」で魅力的ですがマニフェストは政策作りワークショップの「政策ラボ」で4月をめどにつくると言っています。具体的な目標は5市議会で席を確保することと国会に入ること。短い時間で何ができるのでしょうか。

帰ってきたら、教えてもらったホームページにアクセスしてみました。フェイスブック、そして政策のディスカッションに使われいてるソフトSlackにアカウントを作ってアクセス。自分のコンピューターは日本語を使っているから、ソフトの説明がいきなり日本語で出てきます。スウェーデン語で議論するのにとびっくりしてまずは使用言語を英語に切り替えました。日本語、フランス語、ドイツ語、などいくつかの言語はあってもスウェーデン語がないので、もしも英語に抵抗ある参加者がいればここで参加がストップするかもしれないと思いました。Slackは企業の内部コミュニケションのツールとして使われている人気のソフトのようです。

中身を見ると、予算案、スケジュールなどなど、政党の内部が全部丸見えになっている様子。顔を合わせるようの会合はこれからもいろいろ開く予定だそうですが、この政党に参加するのにはコンピューター画面を相手にする時間が増えそうだと感じました。

この動きは本当に政党と言えるのでしょうか。政党よりも市民が共に作るシンクタンクではないかと感じました。面白い動きですが、自分が関わりたいかどうか、しばらく様子を見ることにしました。

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2018年9月9日にスウェーデン総選挙

2018年は総選挙の年です。

スウェーデンは、日本と違って、選挙は定期的に行われます。衆議院解散などの突然の動きは普通ありません。さらに時期がバラバラの地方選挙ではなく、市議会、県議会、国会、すべてが同じ日です。今年は 9月9日(日曜日)が投票日となります。9月の2つ目の日曜日に決まっています。

スウェーデンの9月のはじめというと、夏の休暇から皆がもどってきていて、仕事や勉強に集中している時期です。選挙のキャンページは、暖かい季節にできるようになっています。

http://www.riksdagen.se/sv/sa-funkar-riksdagen/

国会に議席をもつ8党のシンボル。自由党(リベラル党)のシンボル「L」とクリスト教民主党のシンボル「KD」が前回の選挙以来変わっています。イラストは国会のホームページから: http://www.riksdagen.se/sv/sa-funkar-riksdagen/

2014年の選挙の結果をこのブログで報告しました。社会民主党と環境党の連立政権ができて環境党がはじめて入閣しました。しかし弱い少数派政権でした。それでもいろいろ揺れながらなんとかここまで来ました。選挙後のころは環境よりも移民政策の議論が中心でした。その背景の1つは難民や移民の受け入れに消極的なスウェーデン民主党が国会で第3党になったことです。もう1つは2015年の間に16万人ほどの難民がスウェーデンにやってきたことです。その受け入れがなかなか大変だったので、受け入れについての意見がいろいろ全面に出てきました。

時期については1つだけ例外があります。住民投票です。9月の総選挙と同時に行うのもありますが、別の時期もあります。ことしは、国際的にも注目されそうな住民投票が予定されいています。人口が22000人程度の小さな自治体Östhammar(エストハンマー)で行われます。ウプサラからバスで1時間ぐらいのところでバルト海の海岸に位置しています。エストハンマーは、原発の使用済燃料の最終処分場を作る予定になっています。許可申請プロセスが今最後段階に入っています。そこで市議会が受け入れを決定する前に、最終処分場の建設を受け入れるかどうかに関する住民投票を3月4日に行う予定です。

今年はどんな議論や選挙になるのでしょうか。

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女性と子どもが働く歴史

男女平等のテーマでスウェーデンで視察訪問をすると、現状や最近の取り組み、最近の出来事や議論の話をよく聞きますが、100年前とか、もっと前のことはあまり聞きません。

スウェーデンに住んでいるといつでも無料で大学で勉強できます。日本からスウェーデンに戻って勉強を少し楽しむことにしています。この春はスウェーデンの歴史のコースをとっています。特に市民の視点から見た歴史です。一般の人はどうやって生計をたてていたか、どんな仕事、どんな働き方をしたのか。家族や人々の付き合い、住宅、家族の経済状況などです。

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牛の乳をしぼる。100年前、スウェーデンのどこでもやっていたことです。出典リンク

100年以上前は、ほとんどの人が農業の仕事をしていました。しかし、18年代に産業化が進み、1910年のころは農業で働く人は働く人口の半分に下がっていました。当時のスウェーデンは女性だけではなく、子どももよく働いていました。

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ガラス工場で働く子どもたち。「コスタ・ボダ/Kosta Boda」のブランドとして有名になった会社です。(1905年)出典リンク

新しくできた工場での仕事は危険で厳しかったです。そのため女性と子どもをある程度守るための法律が出来ました。1833年以来、9歳以下のこどもの労働は法律で禁止されていたが、1881年に、学校を卒業していない、12歳以下の子どもを雇用することが禁止された。現在、13歳以下の子どもは基本的に働いてはいけないことになっています。そして18歳で成人になるまで、仕事の制限がいろいろあります。

女性は、19年代のはじめ、一部の業界や夜中の仕事が禁止されました。当時、男性は稼ぐ、女性は主婦という考え方が主流でした。女性の収入は男性に比べ低かったです。このころ、女性は運動をはじめ対等な仕事に対等な賃金を求めました。

スウェーデンが参加しなかった第2次世界戦争が終わったところの1950年代、農業で生計たてている人は20%だけに下がっていました。1970年は5%に。

戦後の産業界は成長して労働力が足りませんでした。それで女性が魅力的な労働力になって女性が次々と働くようになりました。このころ、スウェーデンの各種福祉政策も導入されました。例えば無料の給食、児童手当、3週間の有給休暇、皆のための健康保険などです。

1939年、妊娠や結婚を理由に女性を首にすることが禁止になりました。

1950年は主婦が多かった時代として知られています。当時、女性の30%が家庭のそとで働いていました。2000年は75%でした。多くの女性が社会福祉の分野で働いています。

今のスウェーデンでは、女性が働くのが当たり前で、逆に仕事をもっていなければ、まずは「失業者」として分類されるでしょう。日本からスウェーデンに戻ってきて感じています:仕事をもっていない人は「何もの?」と少し怪しい存在です。徹底的な個人主義と自立主義のスウェーデンでは、仕事をしていなければどうやって食べているの?と思われます。だれかに、どこかに、依存することが少し怪しげなこととして見られます。

スウェーデンは男女平等(女男平等でもいいのでは?)の国として知られていますが、まだまだ賃金の違いなど、平等ではない点がいろいろ議論されていて、政治の争点にもなります。

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国家記念日に新市民の歓迎セレモニー

6月6日はスウェーデンの国家記念日でした。この日はもともと「国旗」の日でしたが休日ではなかったです。1983年に国家記念日にもなったのですが、休日ではなかったので一般市民の意識は低く、お祝いやイベントの習慣もあまりなかったです。2005年以来は休日です。

休日になってから、「さあ、どんなお祝いをしようか」となったようです。ナショナリズムが以前より広がろうとしている社会的トレンドがある中で、国家記念日や国旗に対する姿勢がいろいろです。

写真: Stewen Quigley

前向きな取り組みのひとつとして各自治体で「スウェーデン国籍をとって新しい市民になった人々を歓迎する」という内容のイベントがあります。今年1月から歓迎セレモニーを開催するのが各自治体の義務になりました。義務になる前でも約半分の自治体が自主的に行っていました。新しい市民の参加はもちろん任意です。実はスウェーデン市民の約15%が外国生まれです。

私が住むウプサラ市では、2014年中に国籍がとれて新しい市民になったのは826人です。90カ国から来て、51種類の母国語を話す人々です。そのうち200人位はセレモニーに参加しました。今年は少し特別で、ヴィクトリア王女が参加しました。ちなみに彼女の母親シルヴィア王妃は外国生まれです。

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ウプサラ市は一般市民のためのイベントも開催したので少し見に行きました。公園の野外舞台で、まずは市の文化委員会委員長がスピーチをしました。その途中に一度、皆の拍手が自然に起こりました。それは委員長がスウェーデンの人気オペラ歌手マレーナ・エルンマン(Malena Ernman)の言葉を引用した時です。「スウェーデンは人々が逃げて来る国であって、逃げて出て行く国ではないことをありがたく思いましょう」。

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ウプサラ市議会議長Carl Lindbergさん

次は日本に何回も行った経験のある市議会議長のカール・リンドベリ(Carl Lindberg)さんのスピーチでした。カールさんが絶えず推進してきたESD(Education for Sustainable Development 、持続可能な発展のための教育)にも触れて、ウプサラは2大学があって、幼稚園から高校まで多文化の背景をもった子どもや若者がたくさんいるので、ESDを推進するポテンシャルが大きいと指摘しました。

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この日は同時進行で「ウプサラの港の日」というイベントも行われていました。ウプサラに引っ越しをする前にウプサラに港があるというイメージがまったくなかったですが、実は川沿いにいろいろな船が停泊しているし、船が通れるように時々開く橋もあるし、川を下って、メーラレン湖まで行く遊覧船もあります。

実は、常時停泊している船「ハウスボート」に住んでいる人もいます。この日はその一件を訪問する機会がありました。

そこに住む女性はアフリカ滞在暦が長く、今も東アフリカのマラウイ(Malawi)で有機野菜栽培プロジェクトに取り組んでいると話してくれました。

こぢんまりとしたウプサラらしいイベントでした。

 

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